ピアノ独学者の頭の中。

独学過程での記録を残しています。一部機能していませんので、ご了承ください。

音に色を感じる共感覚とスクリャービンの色聴

f:id:odebumaru:20210227123307p:plain

これは音の感じ方、考え方に対して知識として役立てるためにまとめています。

音の感じ方はそれぞれですが、その一つに音を色で感じるというものがあります。
実際に音を色で計測することなんてできないのですが、人によっては音と特定の色を結びつけています。

さくっとまとめ

音を色で感じる共感覚というものがあります。
音と色の結びつけ方は個人で異なります。
音と色の結びつけ方の例としてドレミが虹色と対応するように滑らかに色を変化させたものがあります。
その他にも音の高さ以外の類似性で色付けしたものがあります。
一例としてスクリャービンの色聴を挙げました。
何の役に立つかというと、音の感じ方に別の側面を追加することで音の楽しみ方が増えます。
音の聴き分けに役立ちます。

音を色で感じる共感覚

共感覚について

共感覚はものの感じ方について別の感覚をもって知覚することです。
ここでは音を【聴く】ことで【聴く】とだけでなく、色が【見える】ことです。
実際には【見える】というより【連想される】というべきかもしれません。
音を色で感じる以外にも、数字や文字に色を感じたりする人もいますし、
それが音と色、文字と色というものだけの組み合わせに限ったものではありません。

いつの間にかそのようことができるようになった人もいれば、音感教育の過程で使われた色を刷り込みのように意識的に結びつけた場合もあります(本人の意思か教育者側の意図かに関わらず)。

音で色を連想するというのが注目されがちですが、 【ある物を見たときに特定の何かを連想する】と言い換えると 自分にも当てはまる何かが思いつくのではないでしょうか。
音楽に触れる機会が多い人が音と何かを結びつけているというのは自然な気がします。
それが共感覚の強さや、実用性があるのかなど細分化できると思いますがここでは一旦置いておきます。

ドレミと音の色

f:id:odebumaru:20210227132420p:plain

ドレミファソラシドに合わせて虹のように滑らかに変化させた色を対応させています。
画像は一例ですが、こういったものを結びつけていて音を感じる際に色を伴って感じる人がいます。
カラーのハンドベルや、音感教育、鍵盤に貼るドレミのシールなどで似たような色は位置を使ったものをよく見ます。

スクリャービンの色聴

まず最初に、スクリャービンの色聴に関して正しいものを記載しているつもりはありません。
色と音の対応について一つ例として紹介しています。
詳しく知りたい方は別の正確な情報をお探しください。

スクリャービンは音を色で感じることができる色聴感覚を持っていたとされており、色聴表をよく目にするのですが、色聴表に色が文字で記載されているのでいまいち感覚が掴みづらいものが多いので画像にします。

ピアノ鍵盤と結びつけたもの

f:id:odebumaru:20210227123326p:plain

ここでつけた色はスクリャービンの色聴表をもとに作成にしていますが、実際の色とは異なるはずですので参考程度にしてください。
さて、鍵盤と対応させると無秩序でよくわからない色の羅列のように見えます。
鍵盤は音の高さの順番で並べているので隣の音同士は音の高さという点では近いのですが、
こうしてみると関連性が見出しにくいです。
前述していますが、音をドレミファソラシドで滑らかに色が変化するようしたものとは異なります。

五度圏で並び替えた場合

f:id:odebumaru:20210227123333p:plain

滑らかに色の変化が繋がりました。

補足

以下は、補足的なものになります。

五度圏はよく使われるものとしては楽譜でシャープやフラットが増える順番の確認などで活用した人が多いと思います。
その他に調の関連性の確認にも役立つのですが、今回は色と音の類似性という点で見てみます。

音の高さで並べたものがドレミファソラシド

重複しますが、音の高さという点で見るとドレミファソラシドは隣の音には近い音の高さが並んでいます。

音の相性で並べたものが五度圏

音の高さ以外を基準にした音の類似性や相性というものがあります。
楽器を演奏する人は体感していると思いますが、音の高さが近いことは音の相性がいいことではありません。
ある音から半音ずらした音を重ねると、音がにごります。 半音は鍵盤一つ分なので、例えばシとドやドとド#などです。

これは理由があって、音はうねうねとした振動で伝わっていきます。
この振動の形を決めるものの一つに音の高さがあるのですが、これが複数の高さの音が重なると変化します。
その変化次第で、音にぐわんぐわんとしたうねりを感じたりします(実際に音が大きくなったり小さくなったりする)。
別の記事でも似たようなことを書いたので詳細が知りたい方は「音と振動」や「振動の合成」などをキーワードとして調べてみると音楽とは違った角度から音を見ることができます。

音の相性の話に戻ります、端的に言うと音の響きに相性がありCとG(例えばドとソ)は相性が良いと分類されCとC#(例えばドとド#)は五度圏の表などで見ると、音の高さは近いのに相性は悪いという見方もできます。
理論書などでは倍音や音程の解説が音の特徴の理解に役立つかと思います。
音楽的には細かい振動の話を数値で解いていくことはあまりされないのですが、音の高さが近くなくても音として同じような特徴を持つものがあり、それが相性につながっています。
ここでは音の相性として話を進めていますが、隣り合った音にも意味を見出したり、組み合わせることで特徴的な音を作ったり、役割をもたせることがあるので相性という言葉には語弊があるかもしれませんが、便宜上ここではそのように表現したと考えてください。